効率主義ってなに?
「効率主義」って割と見聞きする表現なんだけど、「合理主義」とか「効率至上主義」、「利益第一主義」っていう表現が正確なところっぽいですね
効率主義ってその字面通り、効率の良いこととか作業効率を良くすることに価値を求めた主義や立場のことを言うのだと思っています。
「効率至上主義」というと「効率化こそがすべて」「手間のかかることは悪」みたいなイメージがありますね。
何の効率を上げたいの?
効率を上げることの目的は「作業時間を減らす」「作業の手間(手順)を減らす」ということだと思います。
ここでの作業とは多くの場合「仕事」を指しますが、仕事にも色々ありますよね。仕事の種別は一旦置いておき、その粒度について考えてみます。
A:粒度の一番小さな仕事は一人で完結するものとします。
B:粒度の大きな仕事はチームで相互にコミュニケーションを取ったり情報を共有しながら行うものと定義します。
Aの場合、自分の仕事効率が上がれば速やかに次の仕事に手を付けることが出来たり、確認や見直しに時間を割く余裕が生まれて仕事の精度を上げられそうです。
Bの場合、自分お担当部分(Aの粒度の仕事)が効率化され早く終了できたら、チーム内の他の仕事をサポートできますね。
良いことしかないように思われます。一見すると。
自分の効率を上げることで誰かの効率が下がる
これ、ピンとこない人いるかもしれません。もしピンとこなかったらちょっと危険な兆候かもしれないです。
先程のAの粒度の仕事、自分自身の効率を求めるあまり、簡単に同僚に答え聞いてませんか?本当に簡単に答えられることなら良いんですよ別に。ただ、ちゃんと調べないと答えられないようなことを聞いちゃうと、聞かれた人は余計な調べ物が増えて自分の作業効率が落ちる。それに対して、聞いた本人は調べ物の時間が節約できて、その間に別の作業もできてとっても効率的!
あれ?
Bの粒度の仕事の場合、まぁ同じですね。自分の仕事の効率化のためにチームメイトの仕事阻害する。結果チームとしての成果が上がらない。そんな事は往々にして起きうるんですよね。
チームメイトに聞いて解決した問題は自分の糧になっていない可能性が高いと思っています。(単なる経験則です)
自分で調べてたどり着いた答えのほうが忘れにくいし応用しやすいよねっていう話で、「今」を効率的に過ごしても「将来に渡って」効率化出来るとは限らないんじゃないでしょうかね。
人の邪魔をしつつ本人の糧にもなってない。その場しのぎのカンニング的なものに見えちゃうんですよね。
ゴールの設定
効率化の目的、言ってみれば「ゴール」はどこにあるんでしょうか。
私は経営者なので会社における効率化のゴールは「利益の最大化」なんですよ。
ここでいう利益は「売上」に限った話ではありません。会社イメージとかブランドとかそういった「定性データ」も含むんですよね。
「効率化の目指すゴール」は組織としての生産性向上と従業員の仕事のしやすさ、そういったものの蓄積からのブランディングだと考えています。あなた一人が楽するためのものではありません。
他者の犠牲の上に成り立つ自分だけの効率化はなんの役にも立ちません。
目先だけではなく数手先を、皆が利益を享受するのだということをイメージして自身の行動を決めてください。
Memo
効率主義が悪いとは言いません。なんのために、誰のために、何を効率化するのか。自分の手間を削減することが目的で他者の手間を増やし非効率化させるのなら、それはただただ害悪です。
そして効率主義が見ているのは指標とか数値といった定量データであって人の感情など数値に表すことのできない定性データは見ていない、むしろ見ることが出来ないのではないかという疑問がついてまわります。
感情を蔑ろにしないで生きていきたいものです。