属人性について考えてみる
というか私が常に思っていることを書き記しておこうと思います。
1.属人性って?
属人性ってなんでしょうね。「属人」ってのは「人を基準に考えること」であり、「属人性」とは「人を基準に考えられた状態・程度」のことだと思ってます。
ビジネスにおいては「業務が特定の人物のスキルに依存してしまうこと」と解釈されています。
私はこれは曲解だと思っていますがそれについては後述します。
2.標準化
「属人」はビジネスにおいては「業務が特定の人物のスキルに依存してしまうこと」と解釈されていて、望ましくない状態と理解されているため、その解決のために「標準化」が推し進められています。「マニュアル化」も同義ですね。
「業務が特定の人物のスキルに依存」している状態が望ましくないというのはどういうケースなんでしょうか。
たとえば「この仕事はあいつにしかできない」というのが属人性の高い仕事で「標準化」する必要性がある状態なんでしょうか。
そうではなく「この仕事の進め方は従業員によって異なる」というのが属人性の高い仕事で「標準化」する必要性がある仕事なんでしょうか。
世間では「この仕事はあいつにしかできない」というのが属人性の高い仕事で「標準化」する必要性があるのだと解釈されているようです。※Google先生に聞いてみてください。
3.誰がやっても同じ成果を上げるということ
「標準化」とか「マニュアル化」その目的ってなんでしょう。
「標準化」ってそもそも品質管理の話だよね。目的は品質のばらつきを抑えること。これが拡大解釈されて「誰がやっても同じ成果を上げることが目的」みたいに言われている気がしてます。
「誰がやっても同じ成果を上げること」って本当に目的なんですかね?こういう表現って好きじゃないんですけどここでは都合がいいので使っちゃいます。「誰がやっても同じ成果が上がる仕事ってAIに取って代わられる仕事だよね」
AIに取って代わられなくても「誰がやっても〜」なんだからあなたじゃなくてもいいんだよね。それって楽しいの?蛇足だけど。
私は「標準化」すべきなのは「業務」ではなく「取り組み方」だと思っています。「誰がやっても同じ成果を上げること」ではなくて「誰もが同じ手順で業務を遂行すること」が目的なんだと理解しています。
「誰がやっても同じ成果が上がるように標準化されている仕事」っていうのもあるんだと思うけれども、機械化とかIT化で人手がいらなくなる仕事のことだよね?
4.クリエイティブって誰がやっても同じなんだっけ?
あんどぷらすのようなクリエイティブな仕事には「誰がやっても同じ」仕事ってのは「ない」です。
誰がやっても同じデザインとかありえないでしょ。これはエンジニアに置き換えても同じなんですよ。仕様決めとか実装とか、これクリエイティブな仕事なんですよ?誰がやっても同じ仕様になんてならないです。
ちょっとだけ補足するとエンジニアの仕事は「ゴール」は誰がやっても同じじゃなければいけません。「(顧客)要求通り」であることが求められるので当然なんですが、「誰がやっても同じではない」というのは仕様策定と開発過程においてです。まぁ「要求」というゴールすらも実はエンジニアが決め(られ)ることだったりするので誰がやっても同じでなければいけない訳ではないんだけどね。
クリエイティブな仕事においては「誰がやっても同じ成果」などということはあり得ません。
5.属人性の排除をしない
あんどぷらすでは「属人性の排除」はしません。むしろ「属人化」バッチコイです。
とはいえ、なんでもかんでも「みんなが好き勝手やっていい」ということではありません。
「業務フロー」は標準化しつつあります。「属人化」すべきなのは「スキル」「発想」であって、「標準化」すべきなのは「受託案件の進め方」とか「契約締結のフロー」とか。
自動化とか機械化とかできない、人にしかできないことは徹底的に個々人のスキルに依存してもいいじゃない。
経験知はナレッジとして蓄積していくのでなにかを産み出すなどの「創造」においては属人化を高めるべきなんです。
Memo
クリエイティブな仕事にまで「標準化」「マニュアル化」を求めるのは間違っています。
デザインとか機能開発時の仕様策定とか、担当者によって異なるアプローチがあっていいんです。むしろ個性を出してください。大前提は「クライアントの利益」です。そのために真摯にアプローチをしてください。
誰でも同じ成果が出せるほど高度に標準化された仕事がAIに取って代わられないと思いますか?
AIがデザインをしキャッチコピーを作りバナーを生成する時代が来るくらいです。
※AIのつくるデザインとか個人的には懐疑的ですけど一定レベルまでは作り上げちゃうでしょうねー。膨大なサンプルから最大公約数的な答えを導き出すのはAIが得意だと思います。
「この仕事の進め方は従業員によって異なる」ようなものは弊社でも「標準化」したほうが良いと考えてます。
それでさえ縛りすぎる必要はないと考えていますが、「手順」とか「問い合わせ対応の初期対応」とかは「標準化」しつつあります。
まとめると、「あんどぷらすは属人性は排除しない。むしろ属人化を推奨するケースすらある」ということです。なぜなら、あんどぷらすの仕事はクリエイティブな仕事だから。