• 小噺 2025.01.21 3辛

    仕組み化のナゾ

    仕組み化のナゾ

    仕組み化とは。

    あんまり好きな表現ではないのだけど、ビジネスの世界では割とよく聞く表現ですね。
    それも「よいこと」としてポジティブな文脈で使われる表現だと思います。

    仕組み化、果たしてそんなにポジティブに捉えてよい表現なんでしょうかね。ちょっと考えてみたいです。

    業務の仕組み化

    業務の仕組み化っていうのは、業務手順をマニュアル化しだれがやっても同じ成果を出せるようにすることで、属人性を排除することとされています。

    これは狭義には「ひとつの業務」の自動化にあたり、たとえばECサイトの販売レポートの生成とかが該当します。
    広義にはマニュアル通りに行動することを求め、自由な解釈を許容しないことです。

    広義の解釈ではつまり、あなたである必要性がないっていうことに他ならない気がするのです。
    「お前じゃなくてもいいようにする」って言われてるのだとするとモヤモヤしませんか?

    生産性の向上

    生産性という観点

    業務手順のマニュアル化がされていると、マニュアルがないケースに比べてより早く業務対応してもらえると思います。
    はじめてやることに対してマニュアルがあると身につけるまでの時間は短く済みそうですよね。

    そういった意味では業務の仕組み化で生産性は向上していると言えます。誰もが同じような成果を出せるという意味合いで再現性が高いという表現もしますね。
    が、すべてのケースでそう言えるのでしょうか。

    膨大なマニュアルを読み込まなければならない場合、マニュアルを見るだけでは理解が難しそうです。ときには先輩に解説をしてもらいながら手を動かしつつマニュアルと照らし合わせていかなければ理解できないかもしれません。
    ケースバイケースで条件分岐が大量にあるマニュアルの場合も個々のケースが多すぎて覚える意義が薄れそうです。

    ものごとはグラデーション

    すべてが仕組み化されたら、誰もが仕事ができるようになるということはなさそうです。
    仕組み化で生産性が上がるような仕事もあれば仕組み化することの労力が報われない仕事もあります。

    物事はすべてグラデーションで構成されていて、白か黒、0か100しかないなんてことはないですよね。仕組み化もそう。有効なケースもあればそうでないケースも多々あるんです。

    ビジネスにおいては仕組み化しないとダメ、そうしないと属人化して生産化の向上が図れないと言われるケースが多いと感じます。

    仕組み化で対応できる業務は究極的には「誰でもいい」すなわちAIがこなせる仕事なんじゃないですかねー。
    ひとにしかできないこと、ひとがやるからこそ価値を見いだせることっていうのもたくさんあるんです。

    属人性バッチコイ

    例えばデザイン。なんとなくそれっぽいものをふわっと作るんなら生成AIでそれなりのレベル感のものができるんだと思います。技術は進化するので。
    なんとなくデザインしてる人は淘汰されると思います。あなただからこそのデザインが求められているんですよね。誰も再現できなくていいの。

    Memo

    あなたでなければできないこと。これこそに価値があるんですよ。
    他の誰かが変わりにやることができるというのは事実だけど、他の誰かと同じ結果になるわけじゃないケースが存在し、それが求められる場所があるということが大前提にあるのだと思っています。

    会社は再現性を高めることを求められることが多いと思いますが、思考は再現できないものだと思ってます。むしろ再現できたとしてもそんなのおもしろく感じないんですよね僕は。成果だけがほしいわけではなくてそのプロセスを純粋に楽しみたいんです。

    同じゴールを異なるアプローチで目指す。そのアプローチも楽しむ。そんな組織でありたいと考えています。

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