Web制作業界ってなんだろ
Web制作「業界」とは、同じような商品を扱う人々の社会、領域のことです。気をつけなければいけないのは、かならずしも「Web制作会社」という同業種の人々の集合を指しているわけではないということです。
Web制作を業務として掲げている会社や、Webデザインも行う印刷会社、フリーのイラストレーターさんやデザイナーさんが含まれるのは感覚的に理解しやすいですが、顧客管理システムとか決済代行会社などもその業務の一部はWeb制作業界と言って良いのではないでしょうかね。
Web制作会社
個人的には「Web制作会社」の範疇にはWeb制作を「主たる業務」に位置づけていない会社は含めないものと考えています。
例えば印刷会社さんとか、デザイン会社さんもWeb制作を請けていることが多いですが、それらは「印刷会社」であり「デザイン会社」です。
Web制作には「システム」や「デザイン」が必要ですが、「システム」開発が可能な会社とそうでない会社、同様に「デザイン」作成が可能な会社とそうでない会社が存在します。
「システム」も「デザイン」も内製できる会社は少ないです。
「Web制作を主たる業務に掲げていない会社」は基本的には外部委託で対応しています。オフショアを利用しているケースも多いようです。
あんどぷらすはWebシステムもデザインも内製で対応しています。
広告代理店
広告代理店のWeb領域の業務は一部Web制作業界と深く関わってます。(大手広告代理店はWeb領域用に別法人を立てていることが多いです)
以前は「Webサイト」を販促ツールとしてしか捉えていない傾向が強かったですが、今ではプロモーション、ブランディング、リクルーティングなど明確な目的のためのWebサイトが求められているため、単なる営業窓口ではなく戦略的な企画立案、サイト構築を行っており、広告代理店の重要度が高まっています。
制作会社は言われたとおりサイト構築すれば良いのではなく、制作会社の経験や知見を元に最適な提案をすべきです。
そのため広告代理店が企画を描くところからコミットしたいというのが制作会社の本音です。
デジタルマーケティング会社
Webサイトが「ただあるだけ」ではなんの成果も見込めないと思います。そこにサイトがあることを知っている人が誰ひとりいなければサイトを作ったことは無駄です。大勢の人が知っていても成果が上がっていなければ無駄ですが。
Webサイトを作ったら広告をはじめとしたマーケティング施策が必要です。
「広告使うのがもったいないからSEO」みたいなバカげたことを言う人が多いのですが、そんな事を考える前に本質的なことに注力してください。
話がそれました。
マーケティング会社とは、ここではデジタルマーケティングを行うためのツールを提供している事業会社と、それらのツールを提案して施策策定や運用を支援する支援会社と定義します。
マーケティング会社もまた自身でサイト構築を行うわけではないのですが、Webサイトとの連係のためにAPIやトラッキングタグの用意などがあります。
Web制作会社と連係するにせよ自社で対応するにせよAPI連係やタグ設置が必要になります。
業務システム開発会社
ここでの業務システム開発会社とはCRMやEC向けの在管理システム、受注管理システムなどを開発提供する会社のこととします。
これら企業の提供するシステムやサービスもWebサイトとAPIやメールで連係することが前提のものとなっています。
業務システムの開発会社もまた自身でWebサイト構築は行いませんのでWeb制作会社との連係が必要になっています。
昨今のWebサイトは単なる「広告」扱いではなくマーケティングであったりプロモーションのための「ツール」としての意味合いが色濃くなってきています。Webサイトの目的は「単なる会社案内の掲示」ではなく、「顧客情報の収集」や「販売」などであり、顧客とのタッチポイントの確保だと思っているのですが、さらにその先、顧客情報や、受注情報を管理したり分析したりすることの重要度が上がっていきています。
協業の時代
Web制作業界に属する企業の事業領域を全て内製できる会社はほぼないと言って良いでしょう。
Web制作会社としてはデザイン、システムを内製してもCRMやMAツールの開発はなかなか出来ないですね。
CRMを開発できる会社でも畑が全く異なるWeb制作はなかなか難しいと思います。
Web制作会社視点で見れば、単にデザインする、システムを作るだけではなく、クライアント企業による最適なWeb運用を目指すために各サービス会社のCRMやMAツールなどをより深く理解することが求められますし、連係のためのAPI開発もマストだと思います。既に数年前からの傾向ですけどね。
Memo
Web制作業界は以外と多種多様な企業が属する世界だと思っています。そのため追いかけなければいけないトレンドも当然のように幅があり、気を抜くと置いていかれるようなスピードの中で事業展開しています。
ECに関わると決済や配送(出荷代行)、ポイントサービス、MAツール、CRMなどについての知見が求められることになります。
全体を俯瞰してビジネスモデルとしての画を描くことが出来ることがとても重要なのですが、まだまだ「デザインだけ」「制作だけ」「ツールだけ」という会社が多いです。全体像を描くことができる会社は広告代理店やマーケティング会社だけではないと信じています。
あんどぷらすの描く全体像でクライアントのビジネスを成功させられるようにようがんばってます。