お金のはなしと言っても
お金のはなし好きですか?
僕はたいして好きじゃないんですよ。いやまじで。毛嫌いもしてないけどね。
で、このブログでお金のはなしって言うと給料のことだと思ったでしょ?
まぁ給料のはなしだけれどもw
ということで今回は会社とか組織におけるお金のはなしをしたいと思います。
設備投資
会社でもフリーランスでも、大なり小なり設備投資してると思います。
会社員の方で自社が設備投資してないと思ってるとしたらそれは多分知らないだけです。
例えば新入社員がいたらPCとかモニタは新たに購入しますよね。これらが設備投資だというのは想像しやすいと思います。机とか椅子とかも設備投資です。
設備投資とは事業拡大のために固定資産に投資することで、固定資産とは減価償却するもののことですね。
なので、オフィス内装とか会議用大型モニターとかプロジェクターとかももちろん設備投資です。
経費
設備投資以外にも地代家賃、水道光熱費、複合機やビジネスフォンのリース料などなどが会社経営には必要ですがこれらは経費ですね。(ビジネスフォンとか買取すれば設備投資ですがリースで利用している場合は経費です)
デザイナーの使用するCCの月額費用、フォントの月額費用などはSaasなので設備投資ではなく経費として計上します。もちろんSaas系のサービス利用料は漏れなく経費だと思ってよいです。
また、オフィスビルへの入居でなければトイレットペーパーとか洗剤とかも自前なので当然経費ですし、言わずもがな、あなたの給料も経費です。
費用削減
世の中リモートワークが増えてきて、事務所家賃は無駄じゃね?っていう人が増えてきたように思うんですが、本当に無駄だと思ってるんですかね?未来永劫出勤しないのなら無駄かもねとは思いますが、フルリモートのみでオフィス縮小した会社ってそんなにたくさんあります?有名どころの話を見聞きして世の中みんなそう!みたいに思ってないですか?
「PC高いから買い換えるのやめようぜ」はやばいんですよ。お金を生むツールがポンコツだと生産性下がりますよね。その下がった生産性の穴埋めに残業増えたら元も子もないんです。
Saas系サービスの利用料も一緒で単に費用(出ていくお金)を減らすことが正義ってわけではないんですよね。
家賃の比率って経費に対してそれなりに大きいので安いほうが良いです。それはそう。
だけど家賃の高低は立地や広さ、すなわち利便性に依存してます。
不便でボロいところは安い。駅前できれいなところは高い。当たり前です。
例えば弊社。
基本的には出社してほしいです。リモートワークよりも出社してもらったほうが生産性が高いと考えているからです。
そして、藤枝や富士宮清水区から通勤してくれるスタッフも多いので駅前という立地は重要。
さらに、10数名が一度に会議ができる空間がほしいし、デザインを生業にする以上仕事空間もおしゃれであるべき。
結果、駅近くでそれなりの広さがあっておしゃれなオフィス空間を用意することにある程度の費用をかけています。他社さんがお金をかけないところにお金をかけていると思われるかもしれないですが、節約するところとケチらないところをメリハリつけてやってるだけなんですよね。
実際のところいくつかの東京のクライアントさんも頻繁に来社してくれますしね。関係性を高める一助になっていると思っています。
経費で大きなものは皆さん意識しているか否か疑問なところはあるのですが、人件費が非常に大きな比率を占めることとなります。サービス業では50%を超えますしね。その大きな人件費をさらに押し上げるのは「残業」ですが無駄な残業はまさしく悪なんです。利益を直接圧迫することは想像できますよね。
残業時間ってどういう給与計算になってるか理解していない人もいそうですが、「1時間あたりの基礎賃金 × 割増率 × 残業時間」です。割増率は「1.25倍」です。深夜残業になるとさらに1.25倍加算なので合わせて「1.5倍」となります。(深夜とは22時から5時の間を言います)
基本給20万円、月労働20日、8時間労働の会社で残業すると残業代は「1,562.5円」です。これを安いと思うのかもしれませんが、仮に就業時間中の雑談のせいで残業する必要が生じたとしたら?経営サイドがもやもやするのはあたり前のことだと思いませんか?
就業時間で終えるようにタスクを管理しスケジュールをたてることは当然で、残業することを前提にした仕事の仕方はなにかが間違っています。
対価
単価の見合わない仕事ってあるんですよね。
「他社は80万で提示してるけどうちは100万円もらわないとできない仕事」みたいな。これって単にうちがぼってると思っちゃいます?
じつは違うんですよ?
全く同じ原価で売値が違うケースは世の中には多々あります。
たとえばレストラン。原材料が同じでも一流のシェフが調理をすると美味しい料理ができあがるでしょうし、私が作ったものとは雲泥の差ですよね。
価格の違いはクオリティに比例するものなんですよ。時折そこから外れる物が出てきますが、それには別の理由があるかもしれないのでここでは触れないようにしておきます。※機能性は高くないけどデザイン性が優れているので同程度の機能の他社製品より高く売値設定しても売れるものとか。
単に「クオリティと価格は比例する」とだけ言うとぼやけてしまうものもあるので少しだけ捕捉が必要なのでしょう。
他社製品と比べてどこを優位点にするかという戦略のために色々なバランスの製品があるので、「一定レベルの機能があればデザイン性の高いものがほしい」と考える層にとっては「機能は高くないけどデザイン性に優れた製品」は「クオリティと価格」が比例しているわけです。
そうではなくて「デザインよりも機能性のほうが大事」と考える層にとって「機能は高くないけどデザイン性に優れた製品」は「クオリティと価格」が比例してないんですよね。つまりは自分の要望に対してどうなのかという比較になるんですね。
脱線しそうになってるので話を戻しますが、サイト制作においてさしたる特徴もなく、単にデザインして実装して終わりというものでは特別に注力している点がきっとないんですよ。こだわらないから安く作れる。逆もまた然りで安く作るからこだわれないんです。
こだわるポイントがあったらそこには力を入れて取り組むのでその分考えることも試行錯誤することも増えるのですよね。だから費用が上がるんです。関わる人の数が増えたり使う時間が増えたりするはずなので。
で、弊社。
デザインはおざなりにしたくないので市販テンプレートを使い回すとか言語道断です。また、デザインは見た目の問題ではなく問題解決の手段だったり情報伝達の一助だったりするので情報の整理や設計も担います。そして担当者一人で考えるのではなくチーム内だったり時にはチームを超えてブレストしたりしています。ひとつの案件に複数人で関わることって客観性や妥当性が出てきますがその分費用が大きくなります。
機能開発においても同様でたいていクライアント独自の機能を求められるので試行錯誤の量は多くなりますし、フロントエンドとバックエンドで複数人アサインすることも珍しくないです。このあたりが弊社の制作費の費用根拠になってきます。
つまり、対価は理由あって設定されているものなので「等価交換」なんだと思いますよ。クライアント様におかれましてはむやみな値引き交渉は控えてほしいです(笑)提供する物の価値を下げなきゃならなくなるので。
一方、サービスを提供する側はその対価以上の「期待を裏切るようなより良いもの」を提供しなければいけないのだという心構えが必要だと考えます。気概の問題。
Memo
給与に関してはこちらに書いておきます。
100万円で仕事を受けたとするじゃないですか。この仕事を担当するあなたの給料っていくらぐらいが妥当だと思います?
考えるべきはこの100万円の仕事を完了したときの関与の割合なんです。あなたひとりですべてを担っているのなら100%あなたの成果でしょうね。「すべてを担っているのなら」です。
仕事を発注していただくに至るまでの営業とか企画提案とかあなたじゃない人がやってませんか?そもそも会社を知ってもらうための動きにはどのくらい関与してますか?
進行管理は誰が行いますか?動作確認や実装チェックもひとりでやるんですか?請求管理とか経理処理は誰が?あなたの働く場所や通信費光熱費は?
案件対応にデザイナー、エンジニア、ディレクタという3人が関わっていたら1/3の関与に見えるけれど上記のことを勘案すると更にその1/3ほどがあなたの貢献度なんですよね。自分の給与の2倍から3倍稼がないといけないって言われるのはこんなことが根拠になっていると思います。
あなたの前にも、横にも、後ろにも誰かが働いているのだということをきちんと理解しないといつまで経っても自分の給料は不当に安いと勘違いすることになります。
働き始めたばかりの頃、そんな勘違いをしていた自分が恥ずかしい。