正解を探す仕事、正解を作る仕事
ここまで、
* 第1回 どんな仕事がしたいのか
* 第2回 クリエイターは職種ではない
について書いてきました。
* デザイナーだからクリエイターなのではない。
* 営業だからオペレーターなのでもない。
職種ではなく、仕事との向き合い方の問題なのではないか、という話です。
その続きとして、もう少し踏み込んで考えてみたいことがあります。
それは、仕事には大きく分けて二種類あるのではないか、ということです。
正解を探す仕事
一つは、正解を探す仕事です。
すでに答えがある前提で、その答えに近づくことが求められる仕事です。
例えば、
* マニュアルに沿った業務
* 既存ルールに従った処理
* 過去の事例に基づいた判断
* 決められた仕様の実装
こうした仕事は、「何が正しいか」がある程度決まっています。
もちろん簡単という意味ではありません。
正確さやスピード、安定性が求められる、非常に重要な仕事です。
ただ、構造としては「正解が存在している前提」の仕事です。
正解を作る仕事
もう一つは、正解を作る仕事です。
こちらは少し性質が違います。
そもそも正解が明確に存在しない状況の中で、
* 何を作るのか
* どういう形にするのか
* 何を優先するのか
を考えながら進めていく仕事です。
例えば、
* 新しいサービスの設計
* 顧客課題への提案
* 業務プロセスの改善
* Webサイトの構成設計
* ブランドの作り方
こうした仕事には、「これが正解です」と最初から決まっていることはほとんどありません。
むしろ、関わる人たちの判断や試行錯誤によって、少しずつ形が作られていきます。
どちらが上かという話ではない
ここで大事なのは、どちらが優れているかという話ではないということです。
正解を探す仕事には価値があります。
* 再現性。
* 品質。
* 安定性。
これは組織にとって不可欠です。
一方で、正解を作る仕事にも価値があります。
* 変化。
* 改善。
* 創造。
これもまた組織にとって欠かせません。
どちらが上というものではなく、役割が違うだけです。
ただし比率は変わってきている
ただ、最近感じているのは、この二つの比率が変わってきているということです。
以前は、正解を探す仕事の比重が大きかったように思います。
* 決まった仕様。
* 決まった手順。
* 決まった業務。
それを正確に実行することが重要でした。
しかし今は、
* 正解そのものが変わるスピードが速くなっています。
* 顧客ニーズも変わる。
* 技術も変わる。
* 市場も変わる。
そうなると、「正解を作る仕事」の比重が自然と増えていきます。
仕事の難しさが変わった
これは単純に「難しくなった」という話ではありません。
むしろ、仕事の性質が変わってきたという感覚に近いです。
正解を探す力だけでは対応できない場面が増えてきています。
一方で、正解を作る力もまた、特別な人だけのものではなくなってきています。
* 小さな改善。
* 小さな工夫。
* 小さな問い直し。
そうした積み重ねの中に、正解を作る仕事が含まれているように思います。
クリエイターの位置づけ
ここで前回の話につながります。
クリエイターとは職種ではなく、仕事との向き合い方だとした場合、それは「正解を作る側に関与する姿勢」と言い換えることもできるかもしれません。
ただし、それは常にそうあるべきという話でもありません。
正解を探す仕事を丁寧にやることも、同じくらい重要です。
Memo
では、なぜ人は指示を求めるのか
もし仕事が正解を作る方向に変わってきているのだとしたら、なぜ人は今でも指示を求めるのでしょうか。
なぜ自分で考えることよりも、正解を知りたがるのでしょうか。
次回はそのあたり、「指示待ちはなぜ生まれるのか」という話を書いてみたいと思います。






