AIで誰でもかんたんにWebサイトが作れる?
最近、「AIで3時間でWebサイトを作った」という投稿をSNSで見かけました。
AIの進化を考えれば、それ自体はおどろくような話ではないですね。
私も日々AIを使っていますが、デザインやコーディングの速度や品質は数年前とは比べものにならないほど速くなっています。
その投稿を見て少し気になったことがあるのですよね。
「3時間でWebサイトができる」という言葉だけが独り歩きすると、「もうWeb制作の知識はいらない」と受け取るひともいるかもしれません。
「かっこいいWebサイトを誰でも作れるようになった!」「制作会社に頼む必要がなくなった!」と考えるひとも増えそうです。
でも私は、そうは思いません。
むしろAIの時代だからこそ、「何を作っているのか」を理解する知識は、以前より大切になるのではないかと思っています。
日本語は話せても、国語は学ぶ
私たちは普段、日本語を話しています。でも、小学校でも、中学校でも、高校でも国語の授業があります。
なんでです?
それは、日本語を覚えるためではありません。
- 相手に伝わる文章を書くこと。
- 論理的に考えること。
- 文章を読み解くこと。
- 言葉を正しく使うこと。
そうした「言葉の仕組み」を学ぶためです。
日本語を話せることと、国語を理解していることは、似ているけれど別の話です。
AIはHTMLを書いてくれる
AIは、本当に優秀ですよね。
HTMLもCSSもJavaScriptも、それらしいものを短時間で生成してくれます。
少し工夫すれば、見た目の整ったWebサイトは数時間で出来上がるでしょう。
でも、それは「HTMLを書ける」という話です。
「Webサイトを理解している」という話ではありません。
例えば、
- headには何を書くべきなのか。
- 見出しはどう構成するべきなのか。
- OGPは何のためにあるのか。
- 画像にalt属性を書く理由は何なのか。
- 構造化データは、なぜ存在するのか。
こうしたことを知らなければ、AIに適切な指示を出すことはできません。
これはAIの能力が足りないのではありません。
こちらがお願いの仕方を知らないだけです。
Webには文法がある
Webサイトは、見た目だけでできているわけではありません。
* 検索エンジン。
* スクリーンリーダー。
* ブラウザ。
そして最近ではAI。
それぞれがHTMLを読み取り、その意味を解釈しています。
だから、見た目が同じでも、中身の構造が違えば評価も変わります。
人間だけが読む時代なら、多少雑なHTMLでも困らなかったかもしれません。
でも、AIが情報を読む時代では、「意味を持った構造」が以前より重要になります。
セマンティックHTMLや構造化データが注目されているのも、そのためです。
知識は不要にならない
AIによって作業時間は短くなります。
これは間違いありません。
でも、それは知識が不要になったということではありません。
昔は、自分でコードを書くために知識が必要でした。
これからは、AIに正しく仕事を依頼するために知識が必要になります。
必要な知識は変わっていません。
変わったのは、その使い方です。
Webだけの話ではない
これはWeb制作だけの話ではありません。
* 文章を書くひとも。
* デザイナーも。
* 映像を作るひとも。
* 音楽を作るひとも。
AIによって制作は速くなるでしょう。
でも、その分だけ「何を作るべきか」を判断する力が重要になります。
道具が進化しても、基礎を理解しているひとの価値はなくなりません。
むしろ、より大きくなるのではないかと思います。
Memo
「AIで3時間でWebサイトができた」という話を否定するつもりはありません。
きっと、本当にできたのでしょう。
でも、その3時間には含まれていないものがあります。
* 情報を整理すること。
* 何を伝えるかを考えること。
そして、その情報がひとにもAIにも正しく伝わるように設計することです。
日本語が話せても、国語の授業は必要です。
AIがHTMLを書いてくれるようになっても、それは変わりません。
AIによってWebサイトは作りやすくなりました。
でも、「Webサイトとは何なのか」を理解することまでは、AIが代わりに学んでくれるわけではないのです。
だれでもかんたんにWebサイトが作れるようになったと思いますか?
専門家に依頼する必要性がなくなったと思いますか?






