AI時代の仕事
ここまで、
* 第1回 どんな仕事がしたいのか
* 第2回 クリエイターは職種ではない
* 第3回 正先を探す仕事、正解を作る仕事
* 第4回 指示待ちはなぜ生まれるのか
* 第5回 創造性は才能なのか
* 第6回 オペレーターが悪いわけではない
について書いてきました。
その延長として、いま避けて通れない話題があります。
それが「AI時代において、何が人の仕事として残るのか」という問いです。
AIは再現が得意である
AIの特徴を一言で言うと、再現性の高さです。
* パターンを学習する
* 過去のデータから最適解を出す
* 一定の品質で出力する
これはまさに、これまでオペレーター的な領域が担ってきた部分と重なります。
つまりAIは、これまで人間が時間をかけて積み上げてきた「安定した作業領域」を高速に処理できるようになってきています。
では人間は何をするのか
ここでよく出る問いが、「人間の仕事はなくなるのか」というものです。
ただ実際には、少し違う見え方をしています。
仕事が消えるというより、
* 何を考えるべきか
* どこに関与するべきか
* どこに価値を置くべきか
が変わってきている、という方が近い感覚です。
AIが苦手な領域
AIは再現が得意ですが、すべてを扱えるわけではありません。
例えば、
* 何を問題として捉えるか
* どこに違和感を持つか
* 何を良いと感じるか
* どこまでを「やるべき」とするか
こうした領域は、まだ人間側に残っています。
これは単なる情報処理ではなく、関心や価値判断に近いものです。
創造性と判断の境界
これまでのシリーズで書いてきた「創造性」は、
* 観察
* 改善
* 試行錯誤
の積み重ねでした。
AIはこの一部を強力に補助しますが、「何を観察するか」「何を改善対象とするか」までは自動で決まりません。
つまり、創造の入口部分は依然として人間側に残っています。
オペレーター的仕事の変化
第6回で書いたように、オペレーターは再現性と安定性を担う存在でした。
しかしAIの登場によって、この領域は大きく変わります。
* 手順の実行
* 定型処理
* パターン化された判断
こうした領域は、徐々にAIに置き換わっていきます。
その結果、人間の役割は少しずつシフトしていきます。
残るのは「選ぶこと」と「関わること」
AI時代において人間側に残るものを整理すると、少し抽象的ですが次のようになります。
* 何に関わるかを選ぶこと
* どこに問題を感じるかを決めること
* どこまで深く見るかを決めること
つまり、「処理すること」から「決めること」への比重移動です。
仕事の中心が変わる
これまでの仕事は、
* 与えられたものを正しく処理すること
に比重がありました。
これからは、
* 何を処理対象にするか
* 何を改善対象にするか
* 何に時間を使うか
といった選択そのものが仕事の中心になっていきます。
Memo
AIは再現を担う技術です。
その結果、人間の役割は「再現の実行者」から少しずつ離れ、
* 観察すること
* 意味を与えること
* 関わる対象を選ぶこと
へと移っていきます。
ただしそれは、能力の上下の話ではなく、役割の移動に近いものだと思っています。
そしてその変化の中で、「クリエイター」という言葉の意味も、少しずつ変わっていくのかもしれません。
次回は最終回として、「なぜそれでも人はオペレーターに戻ってしまうのか」という話に進みます。







