参加型組織が破綻するとき
ここまで、
* 第1回 参加型組織という考え方(あんどぷらすという組織)
* 第2回 「好き」が参加を生むこと
* 第3回 参加型組織と放任の違い
* 第4回 理念への共感と参加は別物であること
について書いてきました。
そして最近、もう一つ考えていることがあります。
それは、「参加型組織は何によって維持されているのか」ということです。
仕組みだけでは維持できない
以前の僕は、組織の課題の多くは構造で解決できると思っていました。
* 情報共有を増やす。
* 評価制度を整える。
* プロジェクト管理を整備する。
* 役割を明確にする。
もちろん、今でもそれらは必要だと思っています。
実際、組織運営において構造は重要です。
でも、それだけでは足りないんですよね。
なぜなら参加は強制できないから
参加型組織の特徴は、参加することを前提としていることです。
ただし、
* 参加そのものを強制することはできません。
* 会話することは命令できるかもしれません。
* 報告を求めることもできるかもしれません。
でも、
* 興味を持つこと
* 理解しようとすること
* 良くしたいと思うこと
までは強制できない。
ここが参加型組織の難しいところだと思っています。
熱量が失われると何が起きるか
何かを好きでいる人は、
* 自然と見に行きます。
* 気になれば調べます。
* 困っていそうなら声をかけます。
* もっと良くできそうなら提案します。
でも、その気持ちが失われると、行動は少しずつ減っていきます。
* 別に反発しているわけではない。
* サボっているわけでもない。
* ただ、関心が薄れていく。
すると、
参加型組織を支えていた見えない動きが減っていくんですよね。
北風は熱量を奪う
第2回で『北風では参加は生まれにくい』と書きましたが、振り返ってみると、『北風は熱量を奪う』というほうが、より正確だったのかもしれません。
最近振り返っていて思うのは、人が離れていく理由の多くは、能力不足ではなく熱量の低下なのかもしれない、ということです。
もちろん、仕事には厳しい場面もあります。
期待を伝えることもあります。
改善を求めることもあります。
それ自体は必要です。
ただ、その伝え方が北風になってしまうと、人は参加しなくなります。
最低限の仕事はする。
でも、
* もう見に行かない。
* もう聞かない。
* もう提案しない。
そうして少しずつ関心が失われていく。
参加型組織は意外と繊細
トップダウン型の組織は、命令によってある程度動かすことができます。
でも参加型組織は違います。
参加型組織は、人の関心や熱量の上に成り立っています。
だから強そうに見えて、実はとても繊細です。
制度が残っていても、情報共有が残っていても、そこへ関わろうとする人がいなくなれば成立しなくなる。
だから大切なのは熱量を守ること
最近は、組織運営で本当に大事なのは、管理することではなく、関心や熱量を失わせないことなのかもしれないと思っています。
* 何を好きなのか。
* 何を面白いと思うのか。
* どこに誇りを持っているのか。
そういうものを尊重しながら、関わり続けられる状態を作る。
参加型組織を維持するというのは、そういうことなのかもしれません。
Memo
参加型組織は、構造だけでは成立しません。
評価制度も必要です。
情報共有も必要です。
プロジェクト管理も必要です。
でも、それらはあくまで土台です。
実際に組織を動かしているのは、
* 「もっと知りたい」
* 「もっと良くしたい」
* 「もっと関わりたい」
という人たちの関心や熱量なのだと思っています。
そして、それが失われたとき。
参加型組織は静かに弱っていくのかもしれません。







