• 組織の話 2026.06.09 1辛

    理念と実務の間にあるもの(シリーズ「参加型組織について考える」第4回)

    理念と実務の間にあるもの(シリーズ「参加型組織について考える」第4回)

    理念と実務の間にあるもの

    ここまで、

    * 第1回 参加型組織という考え方(あんどぷらすという組織)
    * 第2回 「好き」が参加を生むこと
    * 第3回 参加型組織と放任の違い

    について書いてきました。
    その中で、ずっと考えていることがあります。

    それは、

    「理念に共感していても、必ずしも参加が生まれるわけではない」

    ということです。

    理念への共感はスタート地点

    採用活動をしていると、会社の考え方に共感してくれる人は少なくありません。

    実際、

    * 一緒に会社を作る
    * 自走する組織
    * 挑戦を歓迎する

    といった考え方に魅力を感じて応募してくれる人もいます。

    そして、その共感自体は本物だと思っています。
    面接の場で話していても、嘘を言っているようには見えません。

    だから、「理念に共感していなかった」という話ではないんですよね。

    でも実務は別のことを求める

    一方で、実際に仕事が始まると、別の要素が出てきます。

    例えば、

    * 分からないことを聞く
    * 他者と相談する
    * 背景を理解しようとする
    * 問題を見つける
    * 改善を考える

    といった行動です。

    理念そのものを理解しているかどうかとは、少し違う。
    むしろ日々の小さな行動の積み重ねです。

    理解していることと行動することは違う

    これは組織に限らない話かもしれません。

    例えば、

    * 運動した方が良い。
    * 睡眠を取った方が良い。
    * 勉強した方が良い。

    そういったことは、多くの人が理解しています。

    でも、理解していることと実際に行動することは別です。

    組織も同じなんですよね。

    * 理念を理解している。
    * 組織の考え方も認知している。

    でも実際に関与が増えるかというと、そこには別の要素が存在する。

    能力の問題とも少し違う

    ここでよく考えてしまうのが、「能力の問題なのではないか」という見方です。

    もちろん、能力差はあります。
    経験も違えば、得意なことも違う。

    ただ、僕が最近考えているのは、今回見ている現象は能力だけでは説明しきれないのではないか、ということです。
    実際、能力が高い人でも関与しないことはあります。

    一方で、経験が浅くても積極的に周囲へ関わりにいく人もいます。

    能力の差は確かに存在する。

    でも、「組織へ参加すること」と「能力が高いこと」は、どうも別の軸として存在しているように感じるのです。

    では何が違うのか

    最近は、「好き」や「熱量」に近いものがあるのではないかと感じています。
    何かを好きな人は、理解した瞬間に終わりません。

    理解した後も、

    * もっと知りたくなる
    * もっと良くしたくなる
    * もっと深く見たくなる

    という行動が続きます。
    そして、その継続が参加につながっていく。

    理念への共感と関与の継続は別物

    最近の整理としては、少なくとも三つは分けて考えた方が良さそうだと思っています。

    理念への共感
    * 考え方に共感できる。
    * 良い組織だと思う。
    * 目指す方向に納得できる。

    実務への適応
    * 実際の仕事の進め方を理解する。
    * 周囲との関わり方を覚える。
    * 必要な能力を身につける。

    関与の継続
    * もっと知りたい。
    * もっと良くしたい。
    * もっと関わりたい。
    * そう思い続ける。

    この三つは、似ているようで実は別々のものなのかもしれません。

    理念に共感する人は多い。実務に適応できる人もいる。
    でも、その先で関与が継続するかどうかは、また別の話になる。
    そんな風に考えるようになりました。

    Memo

    以前は、

    * 理念をもっと伝えれば良い。
    * 説明を増やせば良い。

    そう考えていた時期もありました。

    でも最近は、理念への共感だけでは参加は生まれないし、実務を理解しただけでも参加は生まれない、ということを感じています。
    参加型組織を支えているのは、理解の深さだけではなく、「もっと関わりたい」という継続的な関心なのかもしれません。

    そして、その関心の正体が何なのかについては、もう少し考えてみたいと思っています。

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