理念と実務の間にあるもの
ここまで、
* 第1回 参加型組織という考え方(あんどぷらすという組織)
* 第2回 「好き」が参加を生むこと
* 第3回 参加型組織と放任の違い
について書いてきました。
その中で、ずっと考えていることがあります。
それは、
「理念に共感していても、必ずしも参加が生まれるわけではない」
ということです。
理念への共感はスタート地点
採用活動をしていると、会社の考え方に共感してくれる人は少なくありません。
実際、
* 一緒に会社を作る
* 自走する組織
* 挑戦を歓迎する
といった考え方に魅力を感じて応募してくれる人もいます。
そして、その共感自体は本物だと思っています。
面接の場で話していても、嘘を言っているようには見えません。
だから、「理念に共感していなかった」という話ではないんですよね。
でも実務は別のことを求める
一方で、実際に仕事が始まると、別の要素が出てきます。
例えば、
* 分からないことを聞く
* 他者と相談する
* 背景を理解しようとする
* 問題を見つける
* 改善を考える
といった行動です。
理念そのものを理解しているかどうかとは、少し違う。
むしろ日々の小さな行動の積み重ねです。
理解していることと行動することは違う
これは組織に限らない話かもしれません。
例えば、
* 運動した方が良い。
* 睡眠を取った方が良い。
* 勉強した方が良い。
そういったことは、多くの人が理解しています。
でも、理解していることと実際に行動することは別です。
組織も同じなんですよね。
* 理念を理解している。
* 組織の考え方も認知している。
でも実際に関与が増えるかというと、そこには別の要素が存在する。
能力の問題とも少し違う
ここでよく考えてしまうのが、「能力の問題なのではないか」という見方です。
もちろん、能力差はあります。
経験も違えば、得意なことも違う。
ただ、僕が最近考えているのは、今回見ている現象は能力だけでは説明しきれないのではないか、ということです。
実際、能力が高い人でも関与しないことはあります。
一方で、経験が浅くても積極的に周囲へ関わりにいく人もいます。
能力の差は確かに存在する。
でも、「組織へ参加すること」と「能力が高いこと」は、どうも別の軸として存在しているように感じるのです。
では何が違うのか
最近は、「好き」や「熱量」に近いものがあるのではないかと感じています。
何かを好きな人は、理解した瞬間に終わりません。
理解した後も、
* もっと知りたくなる
* もっと良くしたくなる
* もっと深く見たくなる
という行動が続きます。
そして、その継続が参加につながっていく。
理念への共感と関与の継続は別物
最近の整理としては、少なくとも三つは分けて考えた方が良さそうだと思っています。
理念への共感
* 考え方に共感できる。
* 良い組織だと思う。
* 目指す方向に納得できる。
実務への適応
* 実際の仕事の進め方を理解する。
* 周囲との関わり方を覚える。
* 必要な能力を身につける。
関与の継続
* もっと知りたい。
* もっと良くしたい。
* もっと関わりたい。
* そう思い続ける。
この三つは、似ているようで実は別々のものなのかもしれません。
理念に共感する人は多い。実務に適応できる人もいる。
でも、その先で関与が継続するかどうかは、また別の話になる。
そんな風に考えるようになりました。
Memo
以前は、
* 理念をもっと伝えれば良い。
* 説明を増やせば良い。
そう考えていた時期もありました。
でも最近は、理念への共感だけでは参加は生まれないし、実務を理解しただけでも参加は生まれない、ということを感じています。
参加型組織を支えているのは、理解の深さだけではなく、「もっと関わりたい」という継続的な関心なのかもしれません。
そして、その関心の正体が何なのかについては、もう少し考えてみたいと思っています。







