• 組織の話 2026.06.16 1辛

    採用は「自然関与」を観測する行為(シリーズ「参加型組織について考える」第6回)

    採用は「自然関与」を観測する行為(シリーズ「参加型組織について考える」第6回)

    採用は「自然関与」を観測する行為

    ここまで、

    * 第1回 参加型組織という考え方(あんどぷらすという組織)
    * 第2回 「好き」が参加を生むこと
    * 第3回 参加型組織と放任の違い
    * 第4回 理念への共感と参加は別物であること
    * 第5回 参加型組織は熱量によって支えられている

    について書いてきました。

    そんなことを考えているうちに、採用という行為そのものの見え方も少し変わってきました。

    採用は何を見極める行為なのか

    採用というと、

    * スキル
    * 経験
    * 知識
    * 実績

    を評価するものだと思われることが多いです。

    もちろん、それらは重要です。
    仕事なので、一定の能力は必要ですし、能力を見ないわけではありません。

    ただ、ここまで数回にわたって書いてきた内容を振り返ると、それだけでは説明できない部分があるように感じています。

    参加型組織に必要なのは「参加する人」

    あんどぷらすは、参加型組織という側面を持っています。

    参加型組織は、

    * 指示だけで動く組織ではない
    * 役割だけで完結する組織でもない

    と思っています。

    ここでいう参加とは、会議に出ることや発言することだけを指しているわけではありません。
    実際には、

    * 気になったことを見に行く
    * 分からないことを聞く
    * 背景を理解しようとする
    * 良くしようと考える

    といった、小さな関与の積み重ねによって成り立っています。
    そうした日々の小さな関与も含めて、僕は「参加」と呼んでいます。

    だから採用で見ているのも、能力だけではないのかもしれません。

    面接だけでは見えないものがある

    面接では多くのことが分かります。

    * 考え方も分かる。
    * 理念への共感も分かる。
    * スキルや経験も分かる。

    でも、「実際にどんな風に関わる人なのか」は意外と見えません。
    これは採用を続けるほど感じることです。
    入社後に見えてくる部分も多い。

    だから採用というのは、どうしても不確実な行為になります。

    人には関わり方の癖がある

    最近思うのは、人にはそれぞれ関わり方の癖があるということです。

    例えば、

    * 気になったことをすぐ調べる人
    * 分からないことを聞きに行く人
    * 誰かを巻き込んで考える人
    * 改善点を見つけると試したくなる人

    がいます。

    一方で、「与えられた範囲の中で完結することを好む人」もいます。
    どちらが良い悪いではありません。

    ただ、組織との相性には影響するのだろうと思っています。

    「何をしてきたか」より「どう関わってきたか」

    だから最近は、経歴そのものよりも、その人が何かにどう関わってきたかの方が気になるようになりました。

    * 仕事でもいい。
    * 趣味でもいい。
    * 学生時代の活動でもいい。

    何でもいいんです。

    * 自分から深掘りした形跡があるか
    * 長く関わり続けたものがあるか
    * 周囲との関係性を作ってきたか

    最近は、経歴そのものよりも、こういったことの方が重要なのではないかと思うようになりました。

    「好き」は行動に現れる

    第2回で「好き」の話を書きました。

    好きな人は、

    * 好きだから続ける
    * 好きだから調べる
    * 好きだから工夫する

    という行動が自然に出てきます。
    そして、その行動は仕事以外の場所にも表れていることが多いです。

    だから採用で見たいのは、「何が好きか」そのものではなく、「好きなものにどう関わる人なのか」ということなのかもしれません。

    小さな参加から見えてくるもの

    ただ、こうした部分は面接だけではなかなか分かりません。
    だから最近は、採用とは判断することよりも、観測することに近いのかもしれないと思っています。

    実際、あんどぷらすでは、

    * インターンシップ
    * アルバイト
    * オープンカンパニー
    * 会社見学

    などを受け入れています。
    以前であれば「夜会」もそうでした。(また再開したいなと思ってます)

    また、採用とは直接関係なく、中学生や高校生の会社見学やインタビューなども、可能な限り受け入れるようにしています。

    理解は参加によって深まる

    もちろん、数時間の見学ですべてが分かるわけではありません。

    でも、

    * 何に興味を持つのか
    * どんな質問をするのか
    * 誰と話そうとするのか

    そういった部分は見えてきます。
    そして、それは組織側が相手を見るためだけではありません。

    相手にとっても、「この組織は自分に合うのか」を知る機会になります。

    採用は未来予測ではなく観測

    昔は、採用とは未来を予測する行為だと思っていました。将来活躍してくれそうか、将来リーダーになって組織を引っ張ってくれそうか。などなど。
    でも最近は少し違います。
    未来を正確に予測することはできません。

    だから予測するのではなく、観測する。

    * その人が何に興味を持つのか。
    * どう関わるのか。
    * どんな時に熱量が上がるのか。

    そういった自然な行動を見る。

    採用とは、そういう行為なのかもしれません。

    Memo

    参加型組織を支えているのは、制度や役割だけではありません。

    * 気になったから見に行く。
    * 分からないから聞いてみる。
    * もっと良くしたいから考える。

    そんな小さな関与の積み重ねです。
    だから採用で見ているのも、能力だけではなく、その人が自然にどう関わる人なのか、という部分なのだと思っています。

    採用とは、能力や人柄を見極める行為であると同時に、「その人が自然と何に関わっていくのか」を観測する行為なのかもしれません。

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